家事と育児と地方と仕事

発達障害の子供の育児と家事に追われて仕事もしつつ、熊本で頑張ってるお父さんの物語です

熊本地震の今(6月15日 2か月後)

今は何が起こっているのか

舛添都知事問題や有名人の不倫問題でもちきりの日本、熊本地震はNHKがときおり報道して頂いておりますが、心もとない所です。

 

現在の時点で、全壊半壊の建物の数が阪神淡路大震災を超え、東日本大震災に近づく勢いになっています。49名の死者と1名の行方不明者という奇跡的な数字だけが先行して実際の被害はあまり人々の頭の中には入っていっていない状況となっています。

 

まあ、確かにこの状況を利用して寄付にかこつけた詐欺を熊本市の龍田中学校で行ったり、状況説明もままならないままで東日本大震災と同じような財政出動をお願いして反感を買ってしまったのが悪いのは重々承知しております。

 

はっきり言って熊本県知事は徹頭徹尾この震災に対して機能しておりません。何度も言いますが、『五百籏頭真』という東日本大震災復興構想会議議長を務め、神戸大学教授時代には阪神淡路大震災を経験した人間を熊本県立大学の最高責任者である理事長にまでつけて防災都市熊本をアピールしておりました。

広域防災拠点構想

 

熊本を九州のどこかで災害が起きた時に迅速に対応できるように熊本が拠点となるという構想でしたが、結局は格好だけつけておいて全然災害には対応できていません。

 

物資の供給路や供給拠点の設置も全然定めていなかったし、飲料水兼用耐震性貯水槽、防災トイレ整備も口だけ。そもそも、熊本で地震が起こることを全く想定していないというのがひどい所です。国では地震の発生は実際は想定されていたのにもかかわらず。

 

くまモン事業に力を入れる前に防災事業をやるべきでしたし、できる能力を持っていたのです。一人の人間の怠慢で多くの人間が未だにひどい生活を強いられています。

 

 

さて、熊本地震についてですが結構ひどいことになっています。

 

熊本地震の現状

震災を逃れるために引っ越しをされる方、企業がつぶれ新しい職を求めて離れる方が増えています。これは仕方ありません。家が無くなり食い扶持が無くなればどうしようもありませんから。3000人以上の労働者が休職などで雇用保険を使用して生活することを余儀なくされてます。

 

また、家の瓦が落ちてしまい修理が必要な家が数百とあります。とりあえず養生(ようじょう-破損防止の手当のこと。修理ではありません)のためにブルーシートをかけるだけで10万円かかったり、見積もりを頼んだら断られ言い値での修理以外は受け付けない業者しかいない状況になっております。

 

高額な修理代金を摂る県外の業者に注意を!!っと消費生活センターや県・市が広報をしておりましたが、県内の業者が不正業者化している状況に手が打てておりません。

 

もちろん、業者が全面的に悪いとは言い切れません。県内の瓦という瓦は枯渇し、ブルーシートもなかなか手に入らない状態です。おりしも、強風の日が続きせっかく養生した屋根に張ってあるブルーシートが飛ばされたり引きちぎられたりして意味がなくなっております。需要はいくら待っても収まらない状況です。

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宇土市役所 まだまだいつ修理されるか見えない

 

 

なぜ熊本地震は進んでいないように見えるのか

また、そもそも建物の建築物被害調査が全然終わっていません。これは役所が悪いという事ではなく、それだけ破壊されてしまった建物が多いのです。しかし、これが非常に大きな問題を生んでいます。

 

一部損壊か半壊か全壊かで地震保険から出る保険金の額が違ってきます。だから、中々診断結果が出るまでは動くことが出来ないのです。また、それだけではなく建物の半壊か全壊の診断が出ると無料で撤去してもらえるのですが、一部損壊では撤去してもらえないのです。

 

では、一部損壊なら問題はないのか…。

そんなはずありません。実際に阪神淡路大震災時に揺れた、といっても震度2程度しか揺れてないにもかかわらず家の柱に亀裂が入りそれがもとで倒壊や半壊した住宅が結構ありました。

 

ということは、震度7を2回も受けている我々が住んでいるこの住宅は、何が起こるかはわからないのです。基礎が崩れるかもしれませんし、壁が壊れ屋根が落ちるかもしれません。

 

まだまだ震度3程度の余震は止まりません。八代で震度5が2回も記録されました。終わりが見えない状況です。

 

 

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廃墟と化した小規模ビル 熊本市内でも至る所にまだ見られる

 

さらに、雨です。

経験のあられる方もいらっしゃるかと思いますが、一度屋根や壁に損傷があればその時にできた傷を伝って雨や湿気が侵入してきます。侵入した雨や湿気は屋根や壁を腐らせます。すると本来は必要のなかった修理が必要になってきます。さらなる負担が被災者に乗ってきます。

 

もっとも、修理しようと思っても数か月先、場所や修理個所によってはへたすると半年先と言われることもあります。まだまだ大混乱中です。

 

テナントも住居も足りなくなっています。そして逆にテナントや住居が空になることもあります。災害対応費として不動産の所有者や管理者が不法な管理費の請求を行う事もちらほら出てきました。敷金を一切返さず退去を求めることも1人や2人だけでなく何人からも聞いてます。

 

人間の汚い所が一気に噴き出してきました。もちろんそんなこととは無縁に手を取り合い方を組み合って負けずに進んでいる人もいらっしゃいます。

 

レストランオーナーたちの草の根活動

熊本市内にある、熊本人なら知らない人はいないリストランテ・ミヤモトオーナーシェフ宮本けんしんさんやtuttiiオーナーシェフ中村龍也さんをはじめ、中心街で飲食店を経営されている方々が、ご自身のレストランが被災して大変なことになっているにもかかわらず、地震直後から炊き出しを行い被災者のおなかも心も満たしておりました。

 

その活動は地震直後で終わることなく、つい昨日もレオナルド・ダビンチの最後の晩餐をもじり、『最初の晩餐』という食の催し物を益城町にある東無田公民館で行いました。こちらにお住いの集落の皆さんは非常に大きな被害を受けたため、全員が集まるのは地震以降『初めて』。

 

皆さんが初めて集まった晩においしいものを食べようという企画を行いました。

 

 

熊本地震は今後はどうなっていくのか

熊本地震はやがては収束していく、そう信じたいのですがどうやらそんなに簡単なものではないのかもしれません。と言いますのも、今回動いた断層は数カ所あるようでそれぞれエネルギーを蓄えているようなのです。

 

熊本市内だけでも、春日山や松尾、龍田山のあたりが震源となり、余震が起きております。じわじわと地割れが広がっています。

 

被害の比較的軽かった八代でも震度5の余震が6月12日に起き予断を許さない状況です。まあ、なるようにしかならないのでしょうけれども、準備だけは欠かさずにいたいと思います。