家事と育児と地方と仕事

発達障害の子供の育児と家事に追われて仕事もしつつ、熊本で頑張ってるお父さんの物語です

いつもの食生活の節約でも生きてくる?震災にあった時、食事はどうなる?(長くなるのでその1)

防災グッズは完ぺきか?

熊本地震が起きてから防災グッズが瞬く間に売れたそうです。これはこれで非常に良いことだと私は思っております。しかし、これは本当に完璧かというとちょっと心もとないです。

 

熊本地震の影響が和らいだと体感したのは大体1か月ぐらいです。それまでを何とかやり過ごさなくてはなりません。

 

道路が寸断され、物資の供給がままならないこと。スーパーやドラッグストアなどの小売店そのものが被災して全然自分の手元に欲しいものが手に入らないこと。避難所などの拠点に欲しい物資が集まるのに数日かかること。これらを考えると、実際には色々な物が必要なことがわかりました。

 

これが首都圏で、防災のための物資がしっかりと備蓄されているのであれば多少は違うのかもしれません。しかしながら、生鮮物は人口が多ければまかなうことが出来ないでしょうから、やっぱり食についてはひとつ考えておかねばならないものだと思います。

 

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24時間365日無休のスーパーも閉めてしまう事態となりました。今でも天井がはがれて大変なことになっております。

 

防災グッズの中に入っている食料というのは、基本乾パンか良くてカロリーメイトです。もちろん、ある都内とでは雲泥の差がありますが、乾パンやカロリーメイトだけで3日間過ごすのは非常に大変です。

 

毎日3食5日間お菓子のようなものを食べて満足できるかどうか。ただでさえ地震で精神的に参っているところで3食がお菓子のようなもので満足できるかどうか…。

 

定期的に乾パンやカロリーメイトで1食をまかなう習慣がある人であればあまり問題はないのかもしれません。しかし、あまりそういう習慣を持つ人はいないかと思います。

 

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実際に配給された震災直後の1食。乾パンとカロリーメイトが配給されました。これが3食になるかと思うと…。

 

 

食の大切さ 震災時の食べ物は?

 震災が起きてから、自衛隊の方々が来て温かい食べ物を皆さんに分けてくださる、そんなイメージを思い描かれる方も多いかと思います。

 

しかしながら、自衛隊の方々が来られるのは一部地域で、大部分は物資が来てそれをみんなで分ける形になります。基本考えているような炊き出しは場所によってほとんどないと思って間違いありません。

 

私が体験した熊本地震での配給される食というのは、時間はバラバラで座って食べるころには食べ物が冷えているか、もしくは最初から冷えたものしかありませんでした。配給される食べ物も最初の頃はおにぎりやパンがほとんどで良くて缶詰という感じでした。

 

もちろん、避難所によっては温かいカレーやみそ汁が出るところもありましたが、多くのところでは最初に1週間では満足な食べ物が出ませんでした。ということは最初の1週間から2週間は、満足な食べ物が食べたければ、自分で準備しなければならないということです。

 

 

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1週間ぐらいしてから出てきたおこわと缶詰。これでもご馳走で、朝は菓子パン1個だけとかだった。

 

 

大体3日目ぐらいから、避難所にぼちぼちと食料が配給されてきました。しかしながら、生鮮食品はおろか食物繊維のあるものはほとんど来ませんでした。

 

保存のきくものが主体となるので、お米やアルファー化米、菓子パンや乾パン、缶入り・保存袋入りのクラッカーやインスタントラーメン、良くて缶詰が配給されます。

 

もちろん、熊本県そのものが全く食料と水を備蓄してくれていなかったし、啓もう活動もしなかったため、市民そのものが全く食料も水も持たずにいた状態でこれらの食料もいただけるだけで満足だったということは致し方ありません。

 

しかしながら、このような食事を長期間(3日以上)繰り返していると栄養失調に陥ります。特に、ビタミンB群とCの欠如により体が本当に動かなくなってしまいます。いわゆる脚気や壊血病の一歩手前です。

 

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アルファー化米。水やお湯を入れるだけでご飯になるが、いかんせん時間がかかるので、戻すための時間を計算して水を入れるとよい。水で30分お湯で15分なのでお腹がすいてからではなくてある程度計算して戻すことをお勧めします。味は良いです。

 

 

精神的にも肉体的にもぎりぎりのところにいるのに栄養不足になればうつ状態といいますか体も気持ちもなえてしまいます。これを防ぐためにも1か月分はビタミンCとB,そして食物繊維として難消化性デキストリンを購入しておくことをお勧めします。

 

これらがあるとないとでは全くそのあとの行動が変わってきます。便秘や下痢、栄養失調による体調不良が本当に多く見受けられました。人間はストレスを感じると排泄のバランスがおかしくなりますし、排泄のバランスが崩れることでさらにストレスを感じます。

 

悪いほうへとスパイラルが回ると本当ににっちもさっちもいかなくなります。

 

また、被災地への配給は本当にバリエーションがなくなります。毎日某メーカーのある特定の種類の菓子パンだけが来たりとか、おかゆや白ご飯、おにぎりだけの生活になります。日本人はどうしても食事にメリハリを求めますし、組み合わせを大事にするのでバランスが崩れた配給がずっと続くだけでストレスになってしまいます。

 

いくら被災者でも、毎食(毎日ではありません。毎食です)おにぎりだけの生活は厳しいでしょう。阪神淡路大震災のころから、この職のレパートリーの部分はあまり変わっていません。

 

できれば、今のうちに缶詰やレトルト食品など賞味期限の長いものを多めにストックして毎日の食事の一部に取り入れたほうが良いと思います。東京防災でも書かれていたように、オーバーストックを回すことで自然と災害からの防衛になっていきます。

 

冷凍食品もよいですが、いかんせん震災時に電気が供給されているかどうかが担保できません。また、避難場所には持っていけませんので、被災時には頼りにくいことは覚えておいたほうがいいと思います。

 

ただし、最初の1日目は冷凍食品もあると便利です。電気が来ない状況でもしばらくは解凍されませんから、食のバリエーションを保つのに良いです。

 

そして、できればパスタやそうめんなどの乾麺類とレトルトのソースを準備しておいたほうが良いです。食のバリエーションを保つため、なるべくいろいろな食品を備蓄することをお勧めいたします。

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最近は具入りのものも増えてきました。味も昔より良くなっています。